?
「孤独を感じていた。どこにいても、なにをしていても」
心に孤独を抱えた少女、ヒカリはある日学校からも家からも離れた森に一人で入った。
森の中には、広場のような場所があった。その中心に廃バスがたたずんでいた。
彼女は誘われるようにその中へ入り、横たわる人形を見つけた。
それは一昔前に流行った愛玩ロボットだ。主人を設定し、その人物にひたすらの忠誠を誓うという、単純な思考回路の人形。
人形はクロエと名乗り、無邪気に微笑んだ。
そしてヒカリは、単純なシステム故に純粋な、自動人形に依存していく。
そんな彼女を想い、心に留める少女が一人。ミツは彼女の――ヒカリの瞳の中に深い孤独をみとめ、その凍えを癒すことを願っている。
二人の人間の、一途に一人を思う恋は交差することなく、日々は流れる。
蝉が鳴いていて、汗が首筋を湿らせ、肌は残らず熱を持っている。
夏だった。
ヒカリ|クロエ|ミツ
---
音楽: Ramine 様
背景資料: ゆんフリー写真素材集 様